低用量ピルの種類や価格は?ピルの正しい基礎知識を学ぼう

ピル=避妊はあっているようで間違えた知識だと知っていますか?
女性はピルをセックスのためだけに飲んでいるのではなく、生理痛や婦人科系の病気などあらゆる障害から身を守るために服用しています。
そしてピルは避妊にも効果がありますが、だからといってコンドームをつけないという判断はまちがっていることに気づきましょう。
この記事ではピル(低用量ピル)の正しい知識や効果、種類などについてご紹介します。
パートナーの健康と身の安全のために、男性にもぜひ見てほしい内容です。
コンテンツ目次
ピル(低用量ピル)のまちがった知識や偏見
ピル=避妊のイメージが強ことから、まちがった知識や偏見をもつ人がいます。
これは男性に限らず女性にもいるという悲しい事実も。
まちがった知識や偏見を招く原因は、日本の性教育に問題があります。海外と比べて日本では性教育が十分に行われず、性への抑圧やタブー視により、正しい知識を身につけ女性の身を守る機会が失われているのです。
正しい知識を身につけるということは、女性は自分の体を知り向き合うこと。男性はパートナーの体の仕組みや変化を知ることにつながるので、正しい知識を身につけることはお互いを守ることにつながる大切なことだと知ってください。
あなたのピル知識のチェック

まずはピルに対するまちがったイメージがないかどうかチェックしましょう。
- ピルを服用すればコンドームはいらない
- ピルを服用すると太る
- 将来妊娠しにくくなる
- ガンになる
- 吐き気や頭痛が起こる
これらのうち1つでも正しいと思ったのであれば、ピルに対するまちがった知識やイメージがついています。
男性がまちがえやすいのは、1つ目にある「ピルを飲んでいればコンドームはいらない」というイメージ。これはおそらくピル=避妊のイメージが強いことからついたイメージではないでしょうか。しかしピルだけでは性感染症の予防ができないので、コンドームはどんなときでも着用必須の避妊具です。
そのほかのチェック項目は女性が勘違いしてピルを避けてしまうことにつながります。
ピルを服用しても食欲が増したり太ったりする心配はなく、服用をやめれば元通り妊娠可能な状態になります。
またガンになることもなく、やひどい吐き気や頭痛などの心配もほとんどありません。
ピルは避妊のためだけじゃない!男性も知ってほしい7つのメリット

まちがった知識やイメージを覆すために、ピルのメリットを知っておきましょう。
- 99.8%以上の避妊
- 生理痛が軽くなる
- PMS(月経前症候群)の改善
- 生理痛の予定日を変更
- ニキビ予防
- 子宮内膜症の予防
- 子宮体ガン、卵巣がん、大腸がんの予防
コンドームは破けたり正しく装着できていなかったりすると、妊娠の確率が上がってしまいます。また男性主導の避妊方法なので、万が一のときは女性の身を守れないことも。
ピルであればほぼ確実な避妊効果があり、女性が自分自身で避妊することができます。
生理痛の軽減はかなりうれしい効果です。生理痛は同じ女性でもひとそれぞれ。まったく痛みを感じない女性もいれば、気絶してしまうほどの痛みを抱える女性も。
現在の女性のスポーツ界では、生理痛による影響を受けないようピルを服用している選手も増えているので、ピルを服用するのに抵抗を感じる必要はありませんよ。
PMS(月経前症候群)とはホルモンによる影響を受けてイライラなど精神的症状や、頭痛・腰痛・不眠などの身体的症状が表れることです。生理前にこのような症状に悩まされる女性も多いので、PMSにより生活に支障がでる場合は、ピルによる改善方法も考えましょう。
ニキビ予防はあくまでも副次的な効果です。ピルには男性ホルモンの生産を抑える働きがあるので、大人ニキビの防止に効果が期待できます。
そのほか女性特有の病気も予防できるので、ピルの効果は女性にとって安心・安全につながることばかりだとわかります。
低用量ピルの代表的な種類
ピルの正式名は経口避妊薬です。低用量ピル(OC:oral contraceptives)とも呼ばれます。
ピルの種類はさまざまあり、各産婦人科医院によって扱う種類が異なるので、どのピルが自分にあっているのかについては検査を受けてから決定されます。そのため自己判断で安易にネットで購入するのはNGです。
まずはピルにどんな種類があるのかをチェックしましょう。
ピルの種類 | 特徴 | 保険適用 |
---|---|---|
トリキュラー | 自然なホルモン変化にあわせてホルモン量を3段階に変化させる。体にやさしいピル | × |
ジェミーナ配合錠 | 84日を1周期とする新しい超低用量ピル。子宮内膜症にともなう痛みや月経困難症に適応 | × |
ヤーズ・フレックス | 120日間月経が来なくなる低用量ピル | 〇 |
マーベロン | 女性ホルモンの量が一定なので飲み間違えがない。月経調整しやすい | × |
ファボワール錠 | マーベロンのジェネリック薬品。ニキビに効果がある | × |
ルナベル ULD | 超低用量ピル。月経困難症に適用 | 〇 |
これらのピルの種類は、産婦人科医院でよく扱う6種類の低用量ピルです。
そのほか緊急避妊ピルであるアフターピルもありますが、アフターピルは性行為後に服用する緊急避妊薬なので、ご紹介する低用量ピルとは種類が異なります。
保険適用外と保険適用の種類がありますが、どちらにせよ年に1階の婦人科診察(がん検診、超音波検査)や血液検査が必要です。(産婦人科医院によって差はあります)
そのため、値段で選ぶのではなく問診や検査結果、ピルにどんな効果を求めるかなどを考慮して医師の判断のもと種類を決めましょう。
ピルの副作用
ピルの副作用は服用し始めた数日間に表れやすいです。
- 吐き気やむかつき
- 頭痛
- むくみ
- 胸の張りや痛み
- 少量の不正出血
副作用による体調不良は、ほとんどの場合4~5日で収まります。しかし副作用の症状が重い場合は、薬が合わない可能性が高いので医師に相談しましょう。
このような副作用を抑えられるよう、医師による診察と種類の選定が大切です。
ピルをもらうには必ず婦人科へ

ピルを服用するには必ず産婦人科への診察が必要です。
産婦人科医院は妊娠や出産の経験を迎えていない女性にとって抵抗を感じるかもしれませんが、男性の出入りを禁止していたり、生理痛などで悩まされている若い女性もいるので安心して受診してください。
ピルをもらうまでの基本的な流れは以下の順番です。
問診
現時点での健康状態や服用している薬、既往歴などの問診を行います。
採血・血圧測定
採血や血圧測定からより詳細な体の状態を確認します。
※産婦人科医院によっては行わない場合もあります。
処方
検査結果が良好であればピルの効能や飲み方、副作用、注意事項などの説明を受けます。
初診の場合は副作用や薬との相性を確認するために、まずは1カ月分処方されるのが基本です。続けられそうであれば1年に1回の定期健診を守り、最大6カ月分まとめてもらえます。
ピル値段と処方されるまでの費用
ピルの値段は1シート1,900円~2,600円(税別)、
初診料・処方料で 1,000円~3,000円、
その他の検査があれば別途費用がかかります。
産婦人科医院によっては学割が適用される場合もあるので、学生の方は事前に公式サイトでチェックしてみましょう。
適用される場合は、当日学生証を忘れずに持参してください。
処方できないケースあり
- 40歳以上
- 喫煙者
- 高血圧、心臓病、不整脈
- 頭痛
- 授乳中
このなかでも頭痛は多くの人が経験があるので、「ピルが処方されなくなるから言わないでおこう」と考えてしまいます。しかしほかの病気を誘発してしまうリスクがあるので、必ず伝えてください。
頭痛の中でもピルとの相性が悪いのが片頭痛。脳卒中のリスクを高めてしまいます。
脳卒中になると半身不随などの後遺症や命にかかわる場合もあるので、必ず医師と相談しながら服用できるかどうか、種類はどうするのかを決めましょう。
ピルは女性のミカタ
避妊や生理痛予防などの効果がある低用量ピルについてご紹介しました。
ピルの効果やどんな種類があり、どんな流れで処方されるかを知っておくだけでも役に立つはずです。
女性の身と健康を守るために、低用量ピルの服用も1つの手段として知っておきましょう。